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民子ひとりが忘れられない
マルハペットフード株式会社
創立10周年記念CM『民子』。原作:浅田次郎。
(2000年9月~2001年3月放映)

CMの企画制作職を志望しコネ無しの無謀な就職活動をしたのは、かれこれ20年前。そんな私(どんなだ…)、今までに「印象に残るCM」は数々あれど、最初のほうに浮かぶのはこの作品だったりします。

小説家が原作を書いたCMを作りたい

このCMを担当してきたクリエイティブディレクターは、創立10周年記念CMを、猫好きの売れっ子作家、浅田次郎に依頼すること決める。しかしなかなか連絡が取れず行きつけの店の人に手紙のやりとりをお願いし、承諾をもらうまでに2ヶ月、書き下ろしの原稿をもらうまでに半年かかったのだそうだ。

「民子、マルハ」で検索してみると、このCMがいかに多くの人にとって印象深いものだったかがわかります。今ではその映像を見る術がないのが残念…。その印象深さに似たものを感じたのが、先月の等々力での映像でした。川崎やるじゃん…。 

☆テレビでは、映像なので民子が猫だとわかりますが、こうして文字で読んでみると、人でも全く問題ないですね。それがヒントなのかも…。
民子が忘れられない。


民子は夜毎傍に座って、

一文にもならぬ原稿を読んでくれた。

「とてもいいわ、その調子よ」

長い間、民子は私のたった一人の読者だった。

ようやく原稿が売れ始めた頃、

民子は、行方知れずになってしまった。

ところが、

長編の仕上げにかかっていた、ある寒い夜…。

民子は大団円の10枚ばかりを読んでくれ、

「最高よ、おめでとう」

それだけ言うと、闇に消えてしまった。

美しく気高い民子は、

一言の祝福を告げるために、

一度だけ戻ってきてくれた。


そして再び帰らなかった。


恋人たちの顔はみな忘れても、

民子ひとりが忘れられない。